オカリーナ、手のひらの中の笛

オカリーナは、手のひらの中に包み込まれてしまうような
小さな楽器です。

もちろん、低音用に作られた大きな楽器もありますが、
一般にメロディー用に使われる楽器は、両手で持って
心地いい実にしっとりとした重量感のある楽器だと思います。

その大小の大きさの幅は、もしかしたら心臓の大きさの違いに
近いのかもしれません。楽器そのものがハートに思えるのは、
私自身がオカリーナ吹きゆえのひいき目でしょうか。

多くの人は、オカリーナそのものが鳴るのだと思っています。
ところが、ぼくが誰かのオカリーナを借りて吹いたとしましょう。
不思議なことに、その人が吹く音とまったく違う音が出るのです。

「それは、あなたが先生だから、技術があるからだ。」と
言われます。

でも、実はそうとも限らないのです。

オカリーナは、人の体と一体となって響いているのです。

ほら、モノマネで清水アキラという人が、時々、
口を開けて手のひらをその口に叩きつけて、「人間鼓(つづみ)」
で「ポポポポン!」ってやるじゃないですか。

ちょっと話が飛躍しすぎたかも知れませんが、
あれと同じことがオカリーナの音でも起きているんです。
実は、体がオカリーナの音を響かせているんです。

これは時折ほかの楽器でも見られることですが、
オカリーナでは特にそういう要素が大きいと感じています。

基本は「歌」だと思います。
歌う時に、響かせようとする体の働きが、
オカリーナの音にも必要なのだと思います。

どうですか。この小さな楽器の大きな可能性が見えてきましたか?
どうかあなたの好きな歌を聞かせてください。